- ENoKi
クラバットの形①
こんにちは
幻想妖品店 草方堂
(ゲンソウヨウヒンテン クサビラドウ)
店主のENoKiです。
今回はビジネスマンの必需品ネクタイのご先祖様クラバットの形についてお話しようと思います。
クラバットって何者なのかしら?と思った方は前に書いた
『クラバットって何?』
というコラム記事を読んでいただくとより今回のコラムが楽しめると思うのでどうぞよろしくお願いします。
フランスから始まる初期クラバット
クラバットは十七世紀フランスから広まったファッションアイテムですが、時代の移り変わりと共に様々なネッククロスとして形を進化させてきました。
今日ビジネスシーンで着用されることの多いダービータイ(所謂ネクタイと呼ばれる物)もクラバットから派生し進化した形のネッククロスなんです。
それではすべてのネッククロスのご先祖様初期クラバットの形についてお話しようと思います。
初期クラバットは細長い長方形の一枚布を基本に本体素材はモスリンやキャンブリックなどの綿やリネンの薄手の平織りの生地、そして高価なレース地などで、さらにそこにレースの縁取りを施したものでした。
着用方法は首に一巻きか二巻きしてから正面で結ぶかリボンなどで括るなどして留め、布の両端はそのまま垂らすというものです。
正面で結ぶ際の結び方は簡単な蝶結び(ボウ・ノット)や引き解け結び(スリップ・ノット)だったそうで、現在のダービータイの様に複雑なものではなかった様です。
当時の図版などを見ると、これ一結びにしただけではないの?みたいな結びめの物も多くあるのでノットで魅せるというよりはクラバットの素材で楽しむ方がメインだったのかもしれませんね。
豪華なレースなんて当時はとても価値のある物だったので胸元で揺れるレースのクラバットはジュストコールやアビをより華やかに彩ったんだろうなと思います。

引き解け結び(スリップ・ノット)にクラバットを結んだ図
(クラバットは当時男性向けのファッションアイテムだったんですがENoKiは女の子が描きたかったので…)
そもそもクラバット前に用いられていた襞襟(ラフ・カラー)は簡単に言うと天草四郎やピエロがよくつけているあのヒダヒダの襟なのですがこれは洗ってから糊付けし、コテをあてて形付けしなければならなかったので着用までにとても手間がかかりました。それに対しクラバットはお手入れがとても楽ちんという実用性をかわれたのも広まった一因らしいので着用の際の結び方が簡単なのも頷けますよね。
1690年代には一風変わった「スティンカーク」という結び方が流行した事もありましがそれについてはいつかまたお話したいと思います。
今回はクラバットが生まれた頃の形についてお話しました。
実はこの後、一度クラバットは流行が下火になるのですがあるきっかけで復活しその際に形を大きく変えていきます。
次回はそのあたりついてお話したいと思います。
最後に幻想妖品店 草方堂では、結んで胸元を華やかに彩るクラバットやリボンタイなど、ページの向こう側のファッションアイテムをハンドメイドしております。
是非結ぶというドラマティックなひと時を貴方の日常に取り入れてみてください。
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よろしければ覗いてみてくださいね!
https://minne.com/@kusabiradou
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。